★故人作の超希少品！三代目西根正剛作 8寸マタギフクロナガサ★使用頻度少ない美品★を出品いたします。
知る人ぞ知る、秋田の狩猟の民マタギが使用する、本格的な狩猟刀「ナガサ」、しかも本職のマタギ用「フクロナガサ」です。 こちらの品は、現在の四代目西根正剛さん（西根登さん）の師匠にあたる、故三代目西根正剛さんが製作したものです。 四代目の作には、刻印部分に「〇に誠」のマークが打たれていますので、容易に区別することが出来ます。 三代目西根正剛さんは、2001年に亡くなられました。
こちらの品は20年以上前、引退した猟師の方から譲り受け、大切にしてきたものです。
全長：388㎜ 刃長：248㎜ 身幅：50㎜ 重ね：8㎜（根元部分） 鞘を入れた全長：395㎜ 重さ：420g 鞘を入れた重さ：590g 鞘材：杉、桜皮巻
三代目西根正剛さんは、織本篤資氏著「和式ナイフの世界」（1994年 並木書房）にも18ページにわたって紹介されています（現在は絶版）。 昭和15年生まれの三代目西根正剛さんは、秋田は阿仁マタギの里、荒瀬村（現秋田県北秋田市阿仁町荒瀬）に住まわれ、鍛冶屋の三代目として腕を振るわれました。 中学を卒業した翌日から鍛冶場に入り、師匠である父親の二代目からナタばかり打たされたそうです。 ご自身も猟師として頻繁に山に入り、熊を狩るだけでなくその成育環境にも気を配っておられたとのこと。 山の恵みを大切にし、自然と共存していた古き良き時代の猟師でいらしたわけです。 一生をかけて猟師向けの素晴らしいナガサを造ることに精進され、研究の成果あって同類の刃物には一切見られない独特の製法で作られています。
例えば松・桜・栗三種類の炭を一定の割合で混ぜて使う、ある種の植物油と鉱物油を混ぜて焼き入れに使うなど、絶対に外部に漏らさなかった秘伝の数々により、他に類を見ない高品質で切れ味が良く、また刃持ちの良いナガサが出来ているのです。 フクロナガサの特徴は、木の棒などを柄の部分に差し込むことにより槍として使用できるように造られていることです。
刃の部分と一体となった鉄の柄は、見事なまでに丸く整形され使いやすく、かつ実践的な造りとなっています。 こちらの品は、実際に森林で使用するためにパラシュートコードが巻かれており、木の柄の製品と比べても滑らず持ちやすく、通常の鉈として日常使いでも問題なく使えます。
このパラシュートコードのおかげで、フクロナガサの唯一の欠点ともいえる、氷点下で使用した場合に手に貼りついて凍ってしまうというリスクを避けることが出来ます。 もちろん木を差して使用する場合の利便性も、ただの見栄えでなく本当に使用することを考えて造られています。
熊と命をかけて闘うマタギ向けの刃物ならではの、実戦で鍛え抜かれ考え抜かれた真の実用品として最高の造りを誇っています。 そのあたりのカスタムナイフなどとは使い手の本気度合いのレベルが異なりますので、必然的に機能的価値に重きを置いた、いわば究極の機能美とでも言うべき凛とした美しさに溢れた一品です。 もちろんすべての工程が手作りで、世の中に全く同じものは二本と無い逸品です。
昭和60年、早稲田大学探検部がアラスカ探検に出かけるにあたり、この西根ナガサを携帯しマイナス40度の極寒の地でもノートラブルで使用できた話はもはや伝説です。
熊と戦う猟師の命を預かる刃物である以上、見栄えより実用的価値に重きが置かれています。 コレクションとして保有されたい方は、カスタムナイフのような（例えば鏡面仕上げといったような）出来上がりの美しさとは無縁であることをご承知おきください。 オリジナルの杉製鞘が付属します。
今回の品は譲り受けて以来、私自身はほとんど使用せず保管していたものですが、前の持ち主が若干使用した際の傷などがあります。 あくまでも実用本位の刃物ですので、その点ご了承される方のみ入札ください。 三代目作のフクロナガサが入手できる機会は今後極めて少ないと思われます。
もう私自身アウトドアに行く機会も少ないですし、もう無くしたと思って居た品が倉庫の隅から出て来ましたので多少磨いて出品することとしました。
※本（和式ナイフの世界）は付属しません。 ※未成年の方の入札はお断りいたします。 ※この品は、コレクションとして保有する分には銃刀法違反には該当しません。 携帯する場合には、キャンプ等正当な目的がある場合に限定してください。 その場合も、すぐに刃物が取りだせないよう、鞘に入れた状態でタオルでくるんでリュックにしっかり仕舞うなど、十分ご注意ください。 ※出張等で不在にすることが多いため、